学校不適応

不登校の生徒から教えてもらった2つのこと 

こんにちは
candrika promovelです

candrika    月の光のように暗闇を照らす存在として
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臨床心理士andヨガインストラクター
スクールカウンセラー
中心にお仕事してます。

 

【不登校の高校生との大切な大切な時間】

 

「不登校」

聞き慣れた言葉ではないでしょうか?

年間30日以上欠席した場合に、”不登校”という状態を指し示します

文部科学省 サイトはこちら

この状況に、

保護者も本人も担任、学校もどうしたらいいか、迷うことが多いです

 

もちろん欠席という状態から、登校復帰するケースもありますが、対応方法は多くありますし、絶対にこれ!とは言えません。

 

そのような中、私がヨガをツールとして、本人が「自分で自分の表現方法を選択する」というテーマに触れられた大切なケースについて紹介します

 

高校2年の女子生徒のケース

 

※重要:(個人が特定されないよう、対応方法の方向性など本質を損なわない程度にケースの情報について、変更を加えています)

 

入学と同時に、「とてもじゃないけど、授業についていけていない、宿題は出さないし、友だちもいないようだ」
と担任や学年から相談を受けていた生徒でした

 

 

1年生の時には、相談室に授業中、ふっと来室する程度で、そこまで欠席は目立つことはありませんでしたが、

勉強の遅れをきっかけとして、提出物も出せなくなり、本人もつらい時期が続きます

 

 

その女子生徒と話す中で、

学力の低さはメンタルの問題ではなく、

理解力の問題であると感じたため、

心理検査を行なって、どのくらい理解する力があるのか?を把握するとともに、

 

カウンセリングとしてどこまで掘り上げて話を聞いて行くのか、どこまで登校を促していくのか、担任の先生や養護教諭と相談してはいるものの、対応方法を悩むケースでした

 

 

 

言葉での表現よりも身体で感じることを大切に

 

後日、心理検査の結果より、平均よりもやや低いIQの数値であることが分かったため、

・より簡単な表現にとどめておくこと

・イラストやメモを通じて伝えたことがしっかり残るようにすること

 

という2つを大切にして関わっていくことを担任など学校側には伝え、私自身も工夫していこうと考えました

 

 

ある時、かなり欠席が続き、1週間ぶりの登校の際、

「先生、私太っちゃったかな」というので、

「学校お休みしていたし、少し運動してみる?ヨガっていうのがあるんだけど」と提案。

 

その日から、1時間のカウンセリングの予約時間の間、

”その生徒自身にヨガの時間とおしゃべり(カウンセリング)の時間を選択させて

”ヨガ”にも取り組むことになりました

 

 

その生徒は、”ヨガが自分でもできる運動”だと感じ、

 

「おうちでもやりたいから、なんか書いて欲しい・・」とイラストでヨガのポーズを教えて欲しいというようになります

そのイラストは「私からのお守り」の効果もあったようでした

 

 

学校の相談室でカウンセリングとヨガをする

 

学校では、ストレスマネンジメントとして、

 

「リラクセーション技法」が知られています

 

この生徒にしたヨガレッスン内容のベースは以下のとおり

 

 

カウンセリング 5分(1週間の振り返り;登校できた日の確認、宿題ができたかの確認、今日のスケジュールの確認)
ヨガ      20分〜30分 呼吸法=完全呼吸法 緊張から息が上がっていることが多かったため、その他の呼吸法は難しいと判断

カウンセリング 15分 担任の先生と話せる時にはつなぎ、難しい場合には今週のつらかったことをランキング形式にして語ってもらいました

 

これをベースにしながら、リラクセーション技法で大切にされていることも

参照しながら、取り組んでいきました

大切なことは、ヨガの終わりに

「消去動作」を丁寧に行うことです

なお、消去動作については、別記事で触れるつもりですが、

参考文献はこちら

学校で使える5つのリラクセーション技法

 

ヨガのポーズはどこまで取り組ませる?

 

ヨガポーズの詳細は以下の通りです

 

 

内容 ねらいとその効果
確認タイム 5分 1週間の振り返り

家でどんなポーズをしてどこが困ったのか、聞いておきたいことを共有した

自分で選択する力をつける

<「やりたくない時はしっかり教えてね」ということは毎回確認していた>

ヨガ;呼吸法 3分 目はつぶらずに完全呼吸法 ゆっくり腹式のみのことも 相談室内は緊張はないものの、通学路、校門、廊下は大変な緊張の中で来ているため、まずはリラックス

<呼吸法はとても難しいようで長い時間できないこともあったが、あまりこだわらずにやることを促した また呼吸の音「シュー」などをセラピスト側がしっかり言ってあげるようにした>

肩ほぐし 3分 両手を肩に添えて肘をくっつけ、回していく 猫背の改善、緊張感からの肩が上がっている姿勢に気づく<表情の曇りが取れる時とそうでない時があった>
背伸び 2分 座ったままか立ち上がり両手を組んで背伸び 調子が悪い時には座ったまま、前向きな時には立ち上がらせて背伸び<ここでその日の調子を感じ取るようにした>
戦士のポーズ1

(ランジのポーズでねじり)

5分〜10分 足幅、骨盤の向きは細かく言わず、お尻を少し持ち上げる感覚やお腹斜め上に引き上げることを伝えてポーズへ 短い時間で全身を温められる上、上半身と下半身をつなげられるポーズであるので選択

足の裏をしっかりつけることを守らせた<土台を作る>

両手を腰当てたまま行うか、私が手を持って支えるか、両手を上げさせるか、という3段階を設けて、本人に選ばせた<選択する=自立へと向かわせる>

足を前後に開き、骨盤は正面にあることよりも膝を曲げた時に足の付け根に伸びがあるように確認させた<膝が痛いかどうかについてとても鈍感であったので、曲げ伸ばしをリズミカルに行った>

<付け根やひざといったポイントへの意識がこの生徒は理解しやすく、リンパのポイントでもあったので毎回伝えていた>

<戦士のポーズができる日はねじりまで挑戦させた、できない時には無理にさせず、ポーズから離れ、立ったまま深呼吸をさせ、わざと猫背を作ってため息をつかせた>

「できない日もあるみたいだよ、大丈夫だよ」というフレーズをよく用いた

腰ほぐし 5分 両手を腰添えてお尻を呼吸に合わせて回す どの部分が温かくなっているのか、呼吸はどうなっているのか、言葉にさせて”自分の内側を感じさせた”

<うまくできない日はここでヨガが終わることもあったため、深呼吸をして挨拶をして褒めた>

ダンサーのポーズ 5分 必ず壁に手を添えて足幅は腰幅にとって行った やり方を伝え、ポーズを覚えてからはバランスキープできる秒数を自分で数えさせた

<数を数えることで自分を振り返ることをわかりやすくした>

牛の顔もしくはワシのポーズ 5分 座ったまま手の形のみ作って挑戦 肩甲骨のこわばりをとる<集中力を高める><色々なことへの不安が大きく、話題もあちらこちらになることが多いため、1つ視線を向ける場所の点を示して呼吸させた 時にセラピストの指先を見るようにした>

 

 

あまりたくさんのポーズにチャレンジすることよりも、

このポーズを深めていく、と決めて、できるだけ同じ時間、同じポーズを行なってみること、を勧めました

 

自分をみつめるきっかけ作りに

 

ヨガのポーズの後は、数分沈黙を味わうことをしてみたり、わざと私が退室して(別の生徒対応や電話対応に当てて)、1人の時間にしてみたり、とやや強制的に

”内側の観察”に取り組みました

 

 

カウンセリングでは、

芸能人のブログの話や雑誌の話、洋服など、

女子生徒なら一度は気にする見た目、のことから、

祖父母との関係、

さらには、将来の夢などが語られました

柔らかい雰囲気がヨガの後には感じられることが多かったです

 

ヨガを続けたいけれど・・・

 

私の異動に伴って、相談の対応は終結となりました

 

「ヨガ、もっとやりたいな」と笑顔で言ってくれ、

 

その生徒の自宅から近いヨガスタジオも教えましたが、

定期的に通うシステムによる料金の負担や

大人の中に一人だけポツンと1人だけ高校生というのは、

恥ずかしいとのことでヨガの継続はしていないようでした

 

 

 

キッズヨガと聞くと、

小学生までの小さいお子様向けのイメージがありますが、

いわゆる思春期である中学・高校も大切な時期ですし、

 

ヨガスタジオのクラスが高校生クラス、不登校のお子様向けなど、

居場所としての機能もあると良いなとも思っています

 

これからの思春期へのヨガとは

 

心の面だけですと、

少し辛い過去や教室での悪いイメージが出て来やすいですが、

ヨガを行うことで”内側の観察”から変化を体で感じることができて、

言葉にしづらい感情を「横にそっと置く」きっかけとなったと考えています

また、ヨガの時間とおしゃべりの時間を本人に選択させたことで

本人は「自分の意思が尊重されること」を体験していきました

本当にヨガばかりやりたい時もあれば、カウンセリングの時間だけとなり、号泣する日もありました

 

よくなったり悪くなったりを繰り返して、担任の先生に会える時もあれば逃げるように帰宅した日もありました
すべて本人にとって大切な時間だったように感じます

女子生徒がなかなかできなくて、一生懸命に練習したポーズ

戦士のポーズ

椅子や机、壁に手を添えたり、私に寄りかかったりしながら、練習していきました

 

このポーズがしっかりと取れるようになった頃、進学先を決め、母にその希望を強く伝えられていました

ヨガのもたらす大きな効果とは

 

私はこのケースから

①勉強が苦手であり、ややIQが低いタイプに対しては言葉を主に用いて気持ちを整理させるカウンセリングよりも身体を動かして楽しく過ごせるような関わりも効果があること

 

②ヨガのポーズができるようになると自信がついて、その自信から将来のことを考えたり、大人に対して、言葉で考えを伝えられるようになること

の2つを学ばさせていただいたように思います

 

 

 

 

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唯一無二の「自分」に出会う

一生懸命生きてきたはずなのに、ふと無力感に追われる・・

こんなになんで忙しいんだろう?と疑問に思う・・・

 

教育の現場で長く働いていると、そういう気持ちを持つ<先生>に出会うことがありました

また、子育てに悩む保護者の方々が、”自分らしい人生”を送れていないことにも気づきました

 

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講座と相談をcandrika promovel では広げています

 

臨床心理士・公認心理師・ヨガ講師(RYT500およびキッズヨガ 、MBSR、アンガーマネジメントなど多数の研修資格を取得)の太田千瑞が

自由自在に生き抜く方法を皆様へお届けします